4月15日までの2週間は非常にバタバタと忙しいものだった。留学生活のはじめから受けていたクラスは最終試験を迎え、13日にはJapan Festivalが行われた。最終試験への勉強やスピーチ試験への準備は僕を不安にさせたし、Japan Festival では運営リーダーを務めていたこともあり、広報や最終調整のために、当日までの毎日に余裕を無くしていた。
また、都市大学では入学式が行われ、新聞会会長でもある僕は新入生勧誘のための準備にオーストラリア現地からできる限りの協力をする必要があった。インターネットさえ手に入れば、東京とパースの距離7919kmはほぼ無くなり、時差もたったの1時間であるため、電話での会議や記事の作成などが行えるのだ。
さらに最終試験直後に控える1週間の休暇をどのように過ごすか、綿密な計画を立てていくということも、僕にとっては大切なミッションだった。
そんな「忙しい」なか、2度の土日を利用して、僕はダイビングのライセンスを取得した。何もかもの値段が高いオーストラリアだから、その料金も高いかと思いきや、日本での取得と比較してとても良心的だった。パースやその周辺の海でしか見られ ない魚たちもいて、特にタツノオトシゴやカワハギの一種を見たときは「ホンモノだ!!」と感動した。水中ではどんな体勢も取 れるので、上から、下からじっくりと観察できる。そこには水槽のガラスもない。 他にも、ハリセンボンやタコ、コウイカ、青いウミウシなどなど、珍しい生き物も観られたのは運が良かった。また、水中で息ができるという体験も不思議で、水泳を3歳から続けてきた僕だが、息継ぎの方法を忘れてしまうのではと心配になるほど、レギュレーターを使っての呼吸は簡単だった。
西オーストラリアには美しい海がたくさんあり、潜らなくても楽しめる。ジュンダラップキャンパスから1時間ほどのところにあるイルカビーチやスカボロービーチ、少し離れるとフリマントル、ロッキンハム、そこから船に乗っていくロットネスト島やペンギン島などなど、全部を回るには相当な時間が必要だ。授業後の自由時間を使い、癒しを求めてフラッと、夕日を眺めに海へ行く。東京ではなかなかできない優雅な生活だ。
さて、留学期間の折り返しは済み、15日の時点で帰国まで2か月を切った。まだ 2ヶ月しか滞在していないとはいえ、遠出をして、ジュンダラップへ帰るたびに「ただいま」と思っている自分がいる。では、日本へ帰ったときはどう思うのか。同じように 「ただいま」と感じるのか。僕の居場所は東京か、ここパースか。想像してみるが 2ヶ月は短いようで長く、長いようで短い。なんせ海外留学は初めてなので、その答えも楽しみに過ごそうと思う。
特派員:枝迫 雄大(環境学部 環境創生学科)
(TAP特派員レポート Vol.294「☆この2週間とパースの海の話」2018.5 より)